レメディ

2008年6月19日
電話で話をする。
彼女は傷ついていた。オーラがもやもやする。
逃げて逃げて耐えて耐えて。。鳴った電話。
あの日のこと、私は忘れない。音を立てずにあの子が崩れ始めた日を。
可能ならば一晩中隣にいてあげたい。抱きしめてあげたい衝動。
おしゃべりな私は電話でしゃべるのを少しだけ控える。
彼女の話を聞いてあげたい。
色々お話した。
彼女は感受性が強い子なんだと思う。
私に似ている。

最近思うのは感情が鈍麻している若者が何と多いことだろう。

人の死に立ち会って、普遍に生み出される感情が、私と彼女を支配する。
あの無力さと沈む空気感。

病院は人が生まれ人が死ぬ所。

死を当たり前というのなら、死を悲しむのも当たり前。

私が生きていること
ご飯を食べること。朝起きること。セックスをすること。
死を感じると私の全てに罪悪感を感じ得ざるをえない。

感受性が強い子程、病棟では苦労する。
それは三年生の頃から分かっていた。
「君みたいな子は苦労するよ。」
けど、彼女まで。
苦しいよ苦しいよ。

控えめで、何でも出来る子。
目立たないけど、いい子。
きっと豊かに育ってきたのだろう。
群馬の空はそんなに高くなくて、青くって、雲がふわふわしてて
ごろごろって雷がなって生暖かい色をした空もあって
場所は違えど同じ空で、上を見ながら育ったのかな?

挫折とかそんな大きなことじゃないけど、彼女が彼女自身を信じなくなった。
強い子がいきなり弱い子になった。

私も分かる。
ずっといい子だった。
いつの間にか、無力な子になった。
真面目さだけは失いたくない。子供でいたい。
ずっと子供でいよう。
子供な私は、心を開かないお嬢様たちに太刀打ちなど出来ず、抉られてしまった。

一時間ほどお話して、彼女はとりあえずの答えを見出した。
私に対して「カウンセリング」と笑う彼女。私もそう思う(笑)
彼女の答えは誰でもない、あの子自身が導き出した。
そう、自分の答えは結局自分でしか出せない。
病気は医者が治せないように。
いつでも寄り添っていたい。傍にいて彼女が救われるのならば。
だって、私だって、いっぱい近くにいてもらったから。

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